HF入門機考
2022年3月
これからHFを始める人、HFで開局したい人には、どんな無線機を薦めたら良いのでしょうか。
ここでは、比較的安価で、あまり古すぎず、外にも持ち出しやすいHF無線機を、いくつかの部門に分けて考察しました。
【注意】
- 参考価格は、各種通販サイト、ヤフオク等から、参考程度の相場価格を記載しました。
- 周波数の「HF」には、160mを含む場合・含まない場合がありますので、正確には各自確認してください。
- 出力は、その無線機の出せる最大出力を表記しています。
- 「20W」表記の場合は、HFの出力は10Wである場合がほとんどです。
- ポータブル機では、外部電源使用時のみ、その出力が出せるというケースがあります。
- 出力の区分については記載を省略していますが、概ね以下の傾向があります:
- ICOM(IC-###)、YAESU(FT-###)→ 末尾なしが100W機、Mは50W機、Sが10W(20W)機。
- Kenwood (TS-###) → Sが100W機、Dが25~50W機、Vが10W(20W)機。
- 一般に、中古市場で出回るHF機は100W機が多く、ついで10W(20W)機が多く見られ、3アマ用・移動する局用である50W機は比較的数が少ないことに気が付きます(ただし、IC-706、TS-50Sなど、内部切り替えスイッチで 100W -> 50W へ切り替えられるものもあります)。売りに出されていても、比較的高騰する傾向があるようです。
- 重量は、アクセサリー・オプション類を除きます。
- 消費電流は、バッテリー運用時のことを考え、「省エネ度」の目安として掲載してあります。
- 送信時出力はポータブル機のみ記載しました。フルパワーかつ外部電源 13.8V 使用時のデータを記載。
- 受信時は、可能な限り定格出力時を記載(説明書に無信号時のみ記載の場合は、『?』としてあります)
- 中古機(現行機以外)は、1995年程度以降のもので有力候補のものを記載していますが、必ずしも厳密ではありません。
- 備考欄記載の内容は、私見です。必ずしも実使用感ではありません。
- この情報は参考程度の比較表であり、誤りを多数含んでいる可能性があります。利用の際は各自の責任において利用し、必ずメーカーのウェブサイト等から最新かつ正確な情報を入手してください。このデータを利用したことによる損害等については当方は一切責任を負いません。
【ポータブル機の部】
かばんに楽々入れられ、最近のモバイルバッテリー(USB PDで、12V or 15V、3A max. を想定)で動作するだろうもの達。
〈現行機〉
| 機種名 | 周波数 | 出力(W) | 参考価格 | 重量(kg) | 受信時消費電流(A) | 送信時消費電流(A) | 発売年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| IC-705 | HF-430 | 10 | 12万円 | 1.1 | 0.5 | 3.0 | 2020 | 出力10Wで、見た目にも使いやすいが、やや割高感。 |
| FT-818ND | HF-430 | 6 | 7万円 | 0.9 | 0.45 | 2.7 | 2018 | 出力6Wを、十分と見るか小さいと見るか。IC-705と並べると、とにかく安さが目立つ。 |
〈中古機〉
| 機種名 | 周波数 | 出力(W) | 参考価格 | 重量(kg) | 受信時消費電流(A) | 送信時消費電流(A) | スプリアス | 発売年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| IC-703 | HF-50 | 10 | 3~4万円 | 2 | 1.2 | 3.0 | 旧 | 2002 | ATU内蔵。値段にもよるがオススメできる一台。ただし、めったに出回らない。 |
| FT-817(ND) | HF-430 | 5 | 3~5万円 | 0.9 | 0.45 | 2.7 | 混在 | 2000(2004) | 無印とNDの違いは、付属バッテリーパックのみ。ただし、5万するなら、もう少し頑張って新品の818に手が出る気も。 |
【コンパクト機の部】
リグとバッテリーで、大きめのリュックサックへなんとか入れられそうなもの達。 (この場合、バッテリーをいかに軽くするか、という問題があります)
〈現行機〉
| 機種名 | 周波数 | 出力(W) | 参考価格 | 重量(kg) | 受信時消費電流(A) | 発売年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| IC-7100 | HF-430 | 100/50/20 | 11万円 | 2.8 | 1.2 | 2013 | 本体と操作部が完全分離している。正直、割高な印象。 |
| FT-891 | HF-50 | 100/50/20 | 7万円 | 1.9 | 2.0 | 2016 | 上には出れないが、価格がいい具合に抑えられており、買いやすい。 |
〈中古機〉
| 機種名 | 周波数 | 出力(W) | 参考価格 | 重量(kg) | 受信時消費電流(A) | スプリアス | 発売年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| IC-706 | HF-144 | 100/10 | 3~5万円 | 2.5 | 1.9 | 旧 | 1995 | 100W機(無印)は 内部SW で50W化可能。やや旧型。この機種特有のディスプレイ焼け(ビネガーシンドローム)は、比較的容易に修理可能。 |
| IC-706 MK2 | HF-144 | 100/50/20 | 4~5万円 | 2.45 | 2.0 | 旧 | 1997 | 706無印の、144MHz増力版。 |
| IC-706 MK2G | HF-430 | 100/50/20 | 4~6万円 | 2.45 | 2.0 | 旧 | 1999 | 430MHzに出られるようになった。高騰気味。 |
| IC-7000 | HF-430 | 100/50/20 | 5~8万円 | 2.3 | 1.6 | 混在 | 2005 | 706MK2G の正当進化版。まだ新しいのでお高め。 |
| FT-857 | HF-430 | 100/50/20 | 4~6万円 | 2.1? | 1.0? | 混在? | 2003 | コンパクトなオールモード機。モービル運用を意識していたようだ。弾数も多く、狙い目。 |
| FT-857D | HF-430 | 100/50/20 | 4~10万円 | 2.1 | 1.0 | 混在? | 2004 | 857にDSPが標準でついた。中古市場では D無しとほぼ同一視されている印象。つい最近まで現行機種だったため、ほぼ新古品状態のものも出ている。何故ラインナップからなくした……。 |
| TS-50 | HF | 100/25/10 | 2.5~5万円 | 2.9 | ? | 旧 | 1993 | 100W機(S)は 内部SW で50W化可能。やや旧型で、HFのみだが、穴場では? |
※ 最近、FT-100シリーズが投げ売りされていますが、これは新スプリアス規定で使えなくなった機種です。FT-100で新規開局したり、FT-100を増設することはできません。
【小型固定機の部】
リュックサック等で持ち運ぶには、ちょっと大きい&重いかな?という無線機達。
〈現行機〉
強いて挙げるならIC-7300、FT-991Aが該当します。ただし、入門者が購入する無線機という観点からすると、このクラスの無線機を新品で薦めるのはいささか高価すぎると判断しましたので、ここでは割愛します。〈中古機〉
| 機種名 | 周波数 | 出力(W) | 参考価格 | 重量(kg) | 受信時消費電流(A) | スプリアス | 発売年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| IC-7200 | HF-50 | 100/50/20 | 4~6万円 | 5.5 | 2.0 | 新 | 2007 | FMは出れないので注意。 |
| FT-897 | HF-430 | 100/50/20 | 4~7万円 | 3.9? | 1.0? | 混在? | 2001 | 中身はほぼ857と一緒らしい。バッテリーが内蔵できるなど、野外運用を意識していたようだ(そのお蔭で、大きめのリュックサックなら入る、とのこと)。弾数も多く、狙い目。 |
| FT-897D | HF-430 | 100/50/20 | 4~8万円 | 3.9 | 1.0 | 混在? | 2004 | 897にTCXOが標準装備。中古市場では D無しとほぼ同一視されている印象。なぜラインナップからなくした……。 |
| FT-900 | HF | 100/10 | 2~5万円 | 5.3 | ? | 旧 | 1994 | ATU内蔵。100W機(無印)は 内部SW で50W化可能。やや旧型。 |
| FT-450 | HF-50 | 100/50/20 | 4~6万円 | 4.0 | 1.5 | 新 | 2007 | ATU内蔵。固定機を小さくした感じで、とても使いやすい。 |
| FT-450D | HF-50 | 100/50/20 | 4~7万円 | 4.0 | 1.5 | 新 | 2010 | ATU内蔵。450のマイナーアップデート版。固定機を小さくした感じで、とても使いやすい。なぜラインナップからなくした……。 |
【海外機の部】
免許が通れば。
| メーカー名 | 機種名 | 周波数 | 出力(W) | 参考価格 | 重量(kg) | 受信時消費電流(A) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ICOM | IC-718 | HF | 100 | ? | 3.8 | 1.3 | 小型固定機。5MHzなし。アイコムが海外で展開する機種で、2000年発売ながら、一応現行機のようだ。日本での入手は困難かも。 |
| Xiegu | G90 | HF | 20 | 550 USD | ~ 1 | 0.75 | ポータブル機。エレクトロデザインが扱っていた形跡がある。保証認定の際は5MHz注意。 |
| Xiegu | G1M G-Core | 3.5, 7, 14, 21 | 5 | 350 USD | 0.93 | 0.5 | ポータブル機。5MHzなし。4バンドのみのQRPだが、もし免許が通るなら、価格的にも小ささ的にも、最も手が出やすいのでは。 |
| Xiegu | X5105 | HF-50 | 5 | 700 USD | 1.5 | 0.66 | ポータブル機。保証認定の際は5MHz注意。 |
| Elecraft | KX2 | HF | 12 | 900 USD | 0.37 | 0.135 | ポータブル機。国内でも有名。「Ultra Porable」という位置づけ通り、驚愕の省エネ・コンパクトさ。オプションのせいで高くなる印象。マイクはオプションです。 |
| Elecraft | KX3 | HF-50 | 10 | 1200 USD | 0.51 | 0.150 | ポータブル機?国内でも有名。KX2の兄貴分で、「Expandable System」という位置づけ。キット販売なので、組み立て料別途50USD。マイクはオプションです。 |
| MFJ | MFJ-90## | single | 5 | 300 USD | ? | 0.05 | コンパクト機? CWのみ。40-15m バンドの中から、バンドを一つ選ぶ。 |
| MFJ | MFJ-94## | single | 5 | 400 USD | ? | 0.10 | コンパクト機? SSBのみ。CWオプションあり(MFJ-415B/416, 90USD/80USD)。75-2m バンドの中から、バンドを一つ選ぶ。 |
【キットの部】
ハンダゴテを握る元気と、免許を通す胆力があれば。
| メーカー名 | 機種名 | 周波数 | 出力(W) | 参考価格 | 重量(kg) | 受信時消費電流(A) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| MFJ | MFJ-9320/40 | 14 / 7 | 2 | 150 USD | ? | 0.36 | CWのみ。 80, 30, 17, 15 もある(あった?)らしい。 組み立て済みは +50USD。 |
| QRP Lab | QCX+ | single | 5 | 55 USD | ? | ? | CWのみ。80, 60, 40, 30, 20, 17m。アルミケース(25USD)をつけるのがオススメ。組み立て済みは +45USD。QCX mini との違いは謎。 |
| QRP Lab | QCXmini | single | 5 | 55 USD | 0.202 | ? | CWのみ。80, 60, 40, 30, 20, 17m。アルミケース 20USD。組み立て済みは +45USD。QCX+ との違いは謎。 |